【書評】WHYから始めよ! サイモン・シネック

WHYから始めよ!
サイモン・シネック


この本は、私が過去に見たTEDの「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」の書籍バージョンだった。改めて、この“ゴールデンサークル”の有用性に気づくことができた。

読了後は、点と点、線と線が繋がるような感銘を受けたことを覚えている。
これは人を動かす黄金比であり、読んでいて非常に気づきが多かったのが嬉しい。

下記にリマインドとして、その理由を記していく。

 

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参考:https://www.linkedin.com/pulse/concept-golden-circle-by-simon-sinek-babak-mohammadi

 

WHYについて

なぜ人や企業はWHYから始めるべきなのか、人を動かすためには感情を動かすことが必要だからだ。ではどうやって感情を動かすのか?それはWHYで人をインスパイアすることにある。

 

結局は感情だ!

 

神田昌典の著作「あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ」でも同じようなことを言っていた。感情とは人を動かす源泉だ。それこそがこの本でいう、WHYである。

人は機能性や特徴でモノを買うのだろうか?一部にはそういう人もいる。販促費をかけ、マーケティングをし、キャッシュバックで巧妙に消費者を動かすこともできる。しかし、それは長続きしない。なぜなら、感情を動かされておらず、人はそのモノのファンにはならない。だから、中長期的に見て、顧客離れとなってしまう。

いわゆるWHATでモノを売ることは、ドーピングやカンフル剤と同じで、そのモノやサービスの特徴が廃れてしまうと、それと同時に顧客も離れてしまう。

 

しかし、WHYの場合は違う。

人の価値観に共鳴し、人の感情を動かす。それが信頼感やファン形成にも繋がる。

Appleのファンがなぜカルトと呼ばれるのか。キング牧師がなぜ多くの人を動かせたのか。ウォルトディズニーの空想がなぜ現代にまで巨大なテーマパークを生き残させることができたのか。

すべてはWHYの明確さにある。

核心部分に人は動かされたら、お金や時間の投資を惜しまない。

 

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スティーブ・ジョブズ

私もスティーブ・ジョブズの考えは好きだ。なぜなら、「個人が権力と戦う手段としてのコンピューターを開発した」という明確なストーリーがあるからだ。

彼はその昔、ヒッピーだった。

ヒッピーはある種、反政府勢力となんら変わりがない。そしてその信条は、個人主義LOVE&PEACEである。

 

しかし、他のヒッピーが小さなコミュニティを作って政府や権力から距離を置いている中で、スティーブ・ジョブズは小さなガレージで政府と戦う準備をしていた。

個人が権力と戦うために。

 

ジョーオーウェルの小説「1984年」を元に彼はMachintoshのCMを作った。「1984年」はディストピア小説と言われていて、圧倒的権力を持つ“ビックブラザー”が全てを牛耳った監視社会の話だ。

それをぶっ壊すメタファーのようなCMをジョブズが作った。かの有名な、AppleのCMである。しかも、オーウェルのタイトルと同じ1984年に。

you’ll see why 1984 won’t be like “1984”.

youtu.be

反権力・個人主義というヒッピーの意思や思想はAppleに投影されていることを物語っている。

一貫したWHYだ。

Appleは見事革命を果たした。今や権力は個人の手の中にある。WHYの明確さは、人の心を動かし、世界を変えることができるのかもしれない。

 

明確なWHYを持つこと

WHYが明確な企業を挙げればキリがないが、どれも素晴らしい企業だと改めて気づく。

patagoniaは「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。

snowpeakは「一人一人の個性が最も重要であると自覚し、 同じ目標を共有する真の信頼で力を合わせ、 自然指向のライフスタイルを提案し実現するリーディングカンパニーをつくり上げよう。 」

と言っている。

 

企業だけでなく、偉人も同じだ。

ガンジーも、チェゲバラも、ボブマーリーも、キング牧師も、あらゆる偉人はWHYと、戦う敵が明確だ。

偉大な企業や偉人はWHYから始まると言って間違い無いだろう。

 

WHYとは?


WHYとは何だろうか。

要は人は感情の生き物だから、感情を動かす力と言った方がいいかもしれない。

ブランドやファン形成も、人は感情に動かされてそうなる。なので、いい企業を作るためには、活動理念を明確に何度も何度も刷り込むのがいいかもしれない。まるで教祖のように。

 

昨年、世界的ベストセラーになったサピエンス全史にも共通する部分があった。それは、なぜホモ・サピエンスが他の人類種と違い、今日まで生き残ることができたのかという問いの答えにある。

動物は見えるものしか信じることができないが、ホモ・サピエンスは見えない物を信じる能力があるらしい。宗教がその最たる例で、サピエンスが集団において統率を取れたのも、信じる力があったからだ。つまり、WHYとは人を信じさせる力ではないのだろうか。

 

組織論

組織論についても印象に残っていることがある。トップはWHYを役員やマネージャーに落とし込み、役員やマネージャーはHOWを一般社員に落とし込み、一般社員はWHATを実行することが理想の組織らしい。確かに一理ある。

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さいごに

一時期、カリスマ的な存在の人は、なぜカリスマ性を持つのかと考えたことがあった。この本から言うと、WHYの明確さがカリスマ性につながるのだと思う。

つまり、能力では無い。なぜイーロンマスクが事業が赤字なのに資金を集め、熱狂的ファンを形成するのか。

資本主義市場において、世界で一番強烈なWHYを発しているからだろう。

 

すごく気づきの多い本だった。

 

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