読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【書評】人を動かす ー デール・カーネギー

人を動かす

デール・カーネギー

 

~要約~

ある種、難解な本だったと感じた。理由として、人を動かすのは経験でしか得ることができないスキルだからだ。私は人を動かす経験をほとんどしたことがない。なので、イメージを膨らませることが難しかった。

しかし、この本に書かれていたことはビジネスマンとしてだけでなく、人間として生きる上で重要な要素だと思う。なぜなら、AIやロボットが世の中に本当に台頭して人にとって変わるまでは、ビジネスは人と人との関わり合いであり、その「人」次第で結果が変わるからだ。

そのため、ノウハウを予め頭に入れておき、機会があれば実行してみよう思った。すぐにではなく長期的な目線で、自分の経験値を積み、人を動かす経験をしてみようと考えた。

 

要約すると、書かれていたことは下記だ。

  1. 人を褒める
  2. 人を自ら動かす
  3. 人の欲しがっているものを与える
  4. 人に重要感を与える
  5. 相手の立場で考える
  6. 相手に純粋な関心を寄せる
  7. 聞き上手になる
  8. 命令せず質問をする
  9. イエスで答えさせる

 

つまり、常に謙虚な人間が好まれるということだと感じた。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあるように、尊敬できるにも関わらず、低姿勢で接する人間こそが、人を動かすことができるのだと思う。

そして、この本で一貫して書かれていたテーマは、「人を強制的に動かすこと」ではなく、「人を能動的に動かすこと」だった。

 

この本を軸として考え、「人を動かす方法」として勘違いしがちな点は下記だ。

  1. 人を叱りつける
  2. 人を非難する
  3. 人に命令をする
  4. 聞く耳を持たず、主張し続ける
  5. 議論で勝とうとする
  6. 笑顔がない人間
  7. 意見を押し売りする
  8. 相手の立場で考えない
  9. 上から目線の人間

 

これは、上記で述べたように、「人を強制的に動かす方法」だ。人の重要感を持ちたいという根源的な欲求に訴えるのではなく、人の恐怖心に訴える方法である。これで人は短期的には動くが、中長期的に見たら反発心が起こるのだという。是非とも覚えておきたい。

 

 

~本文~

興味深かったのは、人は誰しもが自分は正しいと思って行動をしているため、頭ごなしに叱られると納得がいかない。なので、中長期的に見て反抗心を起こすことになる。

しかし逆に褒めてやると、人間も犬と同様に動物なので物覚えが早いらしい。なぜなら、“我々は他人からの賞賛を強く望んでいる。”からとのこと。

 

そして、人を動かす原理原則として、下記が書かれていた。

”およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということを心得ておかねばならない。”

”人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、自ら動きたくなる気持ちを起こさせること”

 

では、具体的にどのようにして人を動かすのがいいのかと言うと、

”相手のほしがっているものを与えるのが、唯一の方法である”

”人間は誰しもお世辞を好む”

など、自尊心と虚栄心に訴えかけるのが大事だそうだ。

 

それは誰しもがそうなのだろうか。例えば、マザーテレサとかガンジーのような聖人はまた違うのではと思ったが、

”自己の重要感に対する欲求は、人間を動物から区別している主たる人間の特性である”

とあるように、人間の遺伝子に刻まれた根源的な欲求だそうだ。それに訴えることで、人は動くのだ。

 

では、どのようにして意識的に動かすことができるのだろうか。

“常に相手の立場に身を置き、相手の立場から物事を考え”、“相手に純粋な関心を寄せること”を意識すること。

早速試すことができるのではと思ったことが、相手を名前で呼ぶことと、生年月日を覚えてプレゼント送ることだ。相手に関心を持っているということや、私にとってあなたは重要ですよと見せることで、相手の感情に訴えることができるのだろう。

 

だがしかし、説得しても動く気配がない人をどのようにして動かすことができるのだろうか。

その方法も明示されいていた。それは、「ソクラテス式問答法」で、最適な質問によって、答えを相手の中から導き出す方法を取るのが良いらしい。相手にイエスと言わざるをえない質問をすることで、最終的に自ら納得することになるそうだ。つまり、意見を押し付けてはならないということだ。

”暗示を与えて、結論は相手に出させる”方が、言葉がよく伝わるのだろう。

 

 

 

 

 

 

~余談~

この本を読んでいる中で、あるストーリーを思い出した。

まず一つ目は、褒められることで自分の才能に自信を持ち、それによって才能が開花したキングコング西野の話だ。

彼はタモリに「絵を描いたら?」と言われ、それをきっかけに絵本を描くようになった。最近出版した絵本は、異例の売れ行きだそうだ。

タモリの褒めがなければ、絵本作家としての西野はなかったと思う興味深いストーリーだ。

これこそが能動的に動かすということではないだろうか。

 

もう一つが、アメリカの新大統領、ドナルド・トランプだ。

彼は世界のリーダーでありながら、この本で言っている人物とは、まるで真逆の人物ではないかと思った。なぜなら、彼は選挙期間中の演説で、人を揶揄する言葉や暴言を吐きまくっていたからだ。つまりは、人を動かすことができず、反発を食らう人間の典型例のような人間だ。

しかし、彼は下馬評を覆し、選挙で勝利を収めた。支持率は低いものの、あのような性格で世界のリーダーまで上り詰めることができる要因とはなんだろうかと考えた。

 

上記を考えると、人を動かす方法として何が正しいっていうのは正直わからなくなる。

しかし、この方法を覚えておいて損はないだろう。なぜなら、人が能動的に動く方法を知っている方が、私のような権力を持たない若造にとっては得だからだ。

 

是非とも意識して使っていきたい。